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FBO仮説,母体‐胎児免疫仮説への反論 

FBO仮説,母体‐胎児免疫仮説への反論
 

これに対する一応の反論を述べます。
前のブログは,最近,読んだ論文2:FBO仮説,母体‐胎児免疫仮説への反論
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-86.html
 

fraternal birth-order(FBO)あるいは,FBO効果とは,同性愛男性に年上の男の兄弟が多いと言う観察から生まれた仮説で,Blanchard Rらによって提唱されました。
そのもっとも有力な原因仮説は,母体免疫仮説で,母親は各々の男の子を妊娠出産するにつれ,男性抗原に感作され,抗男性抗体か,抗男性免疫効果細胞によって,男子の胎児を攻撃して,性指向の中枢を障害し同性愛を生むというものです。
 

最近,この仮説は,MTF-GIDにも拡張され,この場合は男性性自認の中枢を障害し,女性の性自認を生むと言うのです。
 

心理学や精神医学の分野で,この仮説は広まり,おびただしい文献が,出版されていますが,これは完全に間違った仮説と思われます。
 

そもそも,妊娠に関して,免疫寛容が成り立つのは,免疫学者の間で非常に注目されていました。
胎児の組織は,父親由来と,母親由来の半分ずつなので,母からは半分他人です。従って,胎児は移植免疫の攻撃の対象です。
胎盤は,胎児側の組織と,母体側の組織がついた組織なので,胎児性胎盤は同様に移植免疫の攻撃にさらされ,おそらく免疫の最前線です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Immune_tolerance_in_pregnancy
 

すこし話題と離れますが,精子にも母体からの免疫が攻撃され,不妊の原因になると言われています。
 

母体の免疫寛容の破綻は,不妊,流産,不育症,妊娠高血圧症候群(旧称:妊娠中毒症)などの原因になるとされていて,免疫寛容のメカニズムは完全には解明されていません。
しかし,生殖免疫学のまともな研究者は,母体の胎児(男)に対するで,男性同性愛や,MTF-GIDが出来るなどには,見向きもしません。


免疫学的妊娠維持機構
http://ir.jikei.ac.jp/bitstream/10328/2213/1/118-4-229.pdf
(I)レクチャーシリーズ : 3.免疫からみた病態 1)着床・胎児発育の障害と免疫
http://www.jsog.or.jp/PDF/53/5309-187.pdf
少し古いけど,日本語で妊娠と免疫の複雑な関係が読める。Blanchardらは,哀れにも,これらの知識がないらしい。
 

批判1.
そもそも母体の胎児に対する応答は,調節され起こらないようになっている。
起きたら,不妊,流産,不育症,妊娠高血圧症候群などをおこす。
妊娠免疫仮説では,妊娠を繰り返す程,上記がおきやすくなるが,実際はそうでない。
 

批判2.
妊娠免疫が起きたら,何らかの身体疾患が起きる方が可能性があって,BBB(脳血管関門)に守られた中枢の抗原が感作されたり,攻撃されるのは考えにくい。
もし,中枢神経特異的抗原が感作されたり,攻撃されたら,中枢神経全体の疾患が起きる事が考えられる。例,多発性硬化症,脱髄疾患など。
 

批判3.
中枢神経特異的抗原が感作されたり,攻撃されたとしても,胎児の性指向の中枢や,性自認の中枢だけが,障害され,残りの中枢神経が障害を受けず,身体が障害を受けないと言うのは都合が良すぎる仮説である。
そもそも,性指向の中枢だけが障害されるなら,同性愛,性指向と性自認の中枢が障害されるなら男性愛好のMTF-GID,性自認の中枢だけが障害されるなら性指向不定のMTF-GIDになるので,しょうけど無理のある仮説です。
同性愛の頻度と,MTFの頻度から,考えて性指向の中枢の方が障害されやすいのでしょうですけど。
 

批判4.
胎児の中枢神経系は未発達で,男女の性別二型核はまだ形成されていないと言う報告があるけど,どうやって免疫システムが識別するのだろうか。
 

批判5.
母体の免疫が男性特異的抗原を認識攻撃したとしたら,精巣,前立腺などの男性特異的組織や,精子を攻撃して,わざわざ到達困難な中枢神経を攻撃するのだろうか?
 

結論として,Blanchard Rはバカな仮説を立てて,それに追随する愚かな人々が居ます。
Blanchard Rがバカな理由は,他にもあって,また別の機会にします。


Fraternal birth order and male sexual orientation wikiの説明が分かりやすい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Fraternal_birth_order_and_male_sexual_orientation


Review and theory of handedness, birth order, and homosexuality in men.
Blanchard R.
Laterality. 2008 Jan;13(1):51-70. Review.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18050001
左利きに男性同性愛が多いと言っていたのに,FBO効果が働くのは右利きであると言ったり,免疫については,Th1/Th2バランスを持ち出して,まったくコンセンサスが得られるどころか,拡散してしまった理論です。


これは,追随した論文の内,最悪な部類です。
O brother, where art thou? The fraternal birth-order effect on male sexual orientation.
オー,兄弟,なんじはどこにいるの?男性の性指向に対するFBO効果
Puts DA, Jordan CL, Breedlove SM.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 Jul 11;103(28):10531-2. Epub 2006 Jun 30. No abstract available.
PMID: 16815969 [PubMed - indexed for MEDLINE] Free PMC Article
 

Biological versus nonbiological older brothers and men's sexual orientation.
生物学的と非生物学的年上の兄弟と,男性の性的指向
Bogaert AF.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 Jul 11;103(28):10771-4. Epub 2006 Jun 28.
PMID: 16807297 [PubMed - indexed for MEDLINE] Free PMC Article
 

生物学的兄でなく,養子の兄の数が増えてもFBO効果は見られなかったと言うものです。
あきれる事に,PNASと言う有力誌に出ました。
しかしデータが怪しいのか未だに再現する研究は私の知る限り発表されていません。
 

J Biosoc Sci. 2007 Nov;39(6):905-21. Epub 2007 Feb 22.
An antiboy antibody? Re-examination of the maternal immune hypothesis.
抗男の子抗体?母体免疫仮説の再検討
Whitehead NE.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=17316469
http://mygenes.co.nz/Whiteheadmih2884.pdf フル論文
FBO仮説に対する有力な反論で,こちらの方が理屈に合うと思う。
 
Arch Sex Behav. 2011 Jun;40(3):505-10. Epub 2010 Mar 16.
Birth order and ratio of brothers to sisters in Spanish transsexuals.
スペインの性転換症における兄弟順と,兄弟・姉妹比
Gómez-Gil E, Esteva I, Carrasco R, Almaraz MC, Pasaro E, Salamero M, Guillamon A.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20232130
相変わらずFBO仮説を信じて便乗する輩。
 


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