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ゲイ遺伝子の死亡宣告 6,そもそもGWASで検出できない? 

ゲイ遺伝子の死亡宣告 6,そもそもGWASで検出できない?


ゲイ遺伝子の死亡宣告 1,ゲイ遺伝子はどこへ行ったのか?
死亡宣告 1 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-73.html
死亡宣告 2 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-74.html
死亡宣告 3 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-75.html
死亡宣告 4 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-76.html
死亡宣告 5 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-78.html


A genomewide scan of male sexual orientation.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15645181  2005
http://www.springerlink.com/content/3xcxqtb6x36aaap1/   フル論文へのリンク


私的考察
 

そろそろ,MustanskiらのGWASの仕事の息の根を止める事にしましょう。
 

この研究者が使っているマイクロサテライト・マーカーはまったく時代遅れです。今はSNPやCNVを用い,全染色体にある数十万個のマーカーを一度に解析するGWASを行うのです。
SNPやCNVを検出するのは,DNAチップや遺伝子チップと呼ばれるもので,Affymetrix社とイルミナ社で独占しています。例えば前社のチップには50万SNP,90万SNPがあります。
チップには各DNAの断片が貼り付けてあり,検体をラベルしてハイブリダイズして,検出します。
 

イギリスの50の研究グループ共同のウェルカムトラスト*では,躁うつ病(双極性障害),冠動脈疾患,クローン病,高血圧,関節リウマチ,1型糖尿病,2型糖尿病,に対して,各患者約2000名,正常群3000名のGWASを2007年に報告しました。
冠動脈疾患,クローン病,関節リウマチ,1型糖尿病,2型糖尿病に対しては,強い相関を認めるSNPが存在しますが,躁うつ病,高血圧では,上記のように関連する遺伝子は存在しない思われました。


現代のGWASの規模と精緻さと徹底ぶりから見ると,MustanskiやHamerの仕事はまったく杜撰で再現性がないのです。
Hamerは遺伝の仕事から撤退し,Mustanskiは疫学の仕事に逃げています。
 

しかしながら,一般の世界で,無批判で,批判する事の出来ない人々の間で,ゲイ遺伝子はネット上で亡霊のように生き続けています。
 

*Genome-wide association study of 14,000 cases of seven common diseases and 3,000 shared controls.
Wellcome Trust Case Control Consortium.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17554300
http://www.nature.com/nature/journal/v447/n7145/full/nature05911.html 全論文タダ
 

日本語で読める文献は,ネット上にあって
臨床ゲノム研究の現状と Pharmacogenomics (PGx)のガイドラインの整備.  鎌 谷 直 之.  2011年です。
これは,GWASの技術を用いて,薬の効き目の個人差を調べる薬理遺伝学を扱っていますが,GWASの優れた解説になっています。ネットから全文ダウンロードできます。
http://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/131_2/pdf/263.pdf


精神科 科学評論社 の下記の号では,GWASを取り上げました。
特集 II.関連遺伝子と精神疾患-全ゲノム解析はどこまでわかったか-
http://www.kahyo.com/item/SE201002-162
ダウンロード版もあるみたいだけ,有料で登録がいります。
 

ウェルカムトラストの研究の教訓は,古典的遺伝学や,集団遺伝学で,遺伝の関与が強いとされた,躁うつ病(双極性障害),冠動脈疾患,クローン病,高血圧,関節リウマチ,1型糖尿病,2型糖尿病に対し徹底的なSNPを用いたGWASを行い,充分なサンプル数で調べました。その結果,冠動脈疾患,クローン病,関節リウマチ,1型糖尿病,2型糖尿病に対しては,強い相関を認める遺伝子が存在すると考えられますが,躁うつ病,高血圧では,上記のように関連する遺伝子は存在しないことが分かりました。


躁うつ病の遺伝子は,以前ゲイの遺伝子同様,X染色体にあるとされ,後に否定されましたが,古典遺伝学で繰り返し遺伝性が示されていました。
ですから疾患のあるものは,GWASで関連を見つけるのが困難なものがあります。
でもこの手法の有効性は,関連が見つかった5疾患で証明されます。


GWASとは形質と関連する遺伝子を同定する為に,全ゲノムにわたってcommon variantを調べることです。
common variantとは集団中に1%以上の頻度で存在する多型のことで,全ゲノムにわたり探索を行う為に少なくとも10万以上の多型が必要です。
 

全ゲノムの遺伝子の探索には,これまで連鎖解析(linkage study)が行われ,メンデル型の単一遺伝子病では成果をあげてきました。
しかし精神疾患の多くや,同性愛は,多数の遺伝要因と環境要因が複雑に相互作用して形質を決める複雑疾患でした。
 

GWAS(全ゲノム関連遺伝子解析)は,連鎖解析の欠点を補完するものに,なるはずでした。
 

しかし多くの技術的問題があります。
1.サンプルサイズと検出力
2.データの品質管理
3.多重検定の問題
 

精神疾患でGWASが次々失敗した事は,common variantが存在せず,関連のあるものでもオッズ比が1.1から1.5程度ではないかと言われています。
つまりGWASの前提のcommon variant-common disease(CVCD)が成り立たない可能性があります。
患者ごとに稀な変異(rare variant)が疾患の成立に関係すると言う仮説(multiple rare variant-common disease(MRVCD)に立つと,GWASがそもそも成り立ちません。
 

アメリカを中心に超高速シークエンサーを用いて,個人の全ゲノムを「1000ドル」ぐらいで,配列を決定する「1000ドル」プロジェクトが進んでします。
1000-10000人規模で,個人の全ゲノム配列が分かれば,これらの問題に決着がつくかもしれません。
 
 
 

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