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鶏のメス脳がオス脳-メス身体キメラの正常な生殖に必要:背景 

鶏のメス脳がオス脳-メス身体キメラの正常な生殖に必要:背景
 
遺伝的にメスの脳が,鶏の脳キメラにおける正常な生殖サイクルに必要です 
 
http://www.nature.com/ncomms/journal/v4/n1/abs/ncomms2372.html
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23340412 
 
Maekawa F, Ohki-Hamazaki H.  ら
  
ニュース http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-251.html
要約 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-252.html
 
背景

男女の性的二型性は,生化学的,生理的,形態学的差違を,含みますが,性腺の差違,そして他の身体組織の差に及び,それには脳も含まれます。
 
脳の性的二型性の分化が,性特異的行動の発現につながったと考えられます。
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性腺発達の基礎になる分子生物学的機構は,徹底的に研究されてきました。
 
Y染色体にある遺伝子,ほ乳類ではSRY遺伝子*,いくつかの魚ではDMY遺伝子*,は精巣の発達に決定的です。
 
性腺の発達とは対照に,多くの証拠は,次の事を示唆しています,脳は,胎児あるいは新生児の時期のアンドロゲンの作用により男性化し,そのアンドロゲンは胎児の精巣から分泌され,脳組織にSRY遺伝子が存在する事に関係ないようです。 
 
この事は,ほ乳類の神経系分化と行動のオス化パターンの発現を起こします。
 
げっ歯類では,精巣から分泌されたアンドロゲンは,脳にあるアロマターゼの作用により,17β-エストラジオール(E2) に変換され,脳の性分化をおこします*。
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このように,液性因子が発達の決定的期間に作用する事が,ほ乳類の脳の性分化に必須と考えられています。
 
この理論は,鳥類にもまた適用されます,鳥では性染色体は,ZとWです,ZZがオスで,ZWがメスです。
 
Z染色体上のDMRT1遺伝子*が,精巣決定に必要な事が示されています。 
 
DMART1遺伝子は,遺伝子量補償*を受けないので,メスの産生するDMART1遺伝子では,精巣の作るのに充分でありません。
 
代わりに,卵巣は性腺原器から発達します。
 
最近,Zhaoらは,次の事を示しました,つまり,自然発生のオス・メスキメラ・ニワトリの,性腺を含む身体組織の発達は,自律細胞の現象で,ホルモンの影響に独立している事です。
 
 
孵化後6.5日から,卵巣は,精巣より大量のエストラジオール(E2)を含み;さらに,血漿レベルのE2もメスでオスより孵化後14日から高くなります,しかし精巣と血漿のテストステロン(T)は,オスメスの胎仔で,同等でした。
 
遺伝的にオスのニワトリの胎仔を,孵化後13日前に,テストステロン(T)や,E2で処理すると,その後のオスの交尾行動は,Tで誘導しても観察されなくなります。
 
逆に,遺伝的にメスのニワトリは,孵化後7日前のアロマターゼ阻害薬の注射により,表現型上は,性を逆転させられます;そのニワトリは,2つの精巣と成熟した精子をもち,オスの行動を示します**。
 
E2の神経と行動発達における役割りについては,ウズラについても示されています(文献14の総説を見てください)。 
 
鳥類の胎仔期の間の5β-還元酵素の活性は非常に高いので,かなりの量のTが不活性型の5β-ジヒドロテストステロンに変換されます;この事はオスの脳が行動上E2によって脱オス化されるのから守るのでしょう,この際E2はTより産生されます。
 
このように,鳥類では,胎仔の卵巣は,胎仔の精巣よりステロイドを産生する上で活性があり,オスの脳はE2の存在なしに,発達します(いわゆる既定型,default type),一方,胎仔の卵巣から産生・分泌されるE2は,脳のメス化 and/or 脱オス化させるのでしょう。
 

*SRY,sex determining region Y [ Homo sapiens ]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/6736
http://omim.org/entry/480000
 
*DMY
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/100049231
 
*アロマターゼ仮説
 
*DMRT1,DMRT1 doublesex and mab-3 related transcription factor 1 [ Gallus gallus,chicken ]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/769693
 

*遺伝子量補償,dosage compensation
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E9%87%8F%E8%A3%9C%E5%84%9F
 

**メスのニワトリは,孵化後7日前のアロマターゼ阻害薬で、精巣と成熟した精子とオスの行動を示します。
私は少し勘違いしていて,ホルモン処理や,去勢などによって,遺伝的に反対の性の性腺は起こせないとおもっていました。

Elbrecht, A. & Smith, R. G.
Aromatase enzyme activity and sex determination in chickens. Science 255, 467–470 (1992).
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1734525
These sex-reversed females developed bilateral testes that were capable of complete spermatogenesis and had the physical appearance and behavior of normal males.


Aromatase inhibition reduces expression of FOXL2 in the embryonic chicken ovary.(2005)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15830351/
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dvdy.20388/pdf
In summary, aromatase inhibition caused a reduction in FOXL2 expression in the left ovary, but expression still localized to the medullary cords. However, the cords were more disorganized, with a reduction in lacunae, a reduction in the cortex layer, and an overall reduction in gonad size.

でも新しい研究だと,完全な性の逆転でないようです。
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一方,脳の性分化が,少なくとも,部分的には,ステロイドホルモンと独立して起こる事を示唆する証拠が蓄積されつつあります。
 
げっ歯類の中脳のドパミン神経細胞は性的二型性を示し,それはSRY遺伝子に,直接支配されています。
 
自然発生の雌雄同体のスズメ類,右脳半球の,さえずる神経回路は,左半球より,オス様の表現型でした,ステロイドホルモンの影響は,両方の側で同一と考えられるにも関わらずです。*
 

*雌雄同体のキンカチョウの,性腺でなく,神経起源による脳性分化
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-253.html
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どの程度の性的二型性が遺伝的に決定されているか解明するため,私たちは,ニワトリのキメラを用いました,それは自然の生理学的状態で性分化の展望をあたえてくれます。
 
脳組織を移植したニワトリのキメラは成長し健康でしたが,メスの脳を移植したオスの身体では,免疫学的拒絶反応が起きたので,薬物投与がその抑制に必要でした。
 
オスの脳をメスの身体に移植したメスキメラでは, 産卵開始が遅れ,その期間が不規則になりましたが,その行動や,性ホルモンの濃度,黄体形成ホルモン(LH)*は,典型的メンドリと同様でした。
 
それに対して,メスの脳をもつオスのキメラは,典型的オンドリと同等でした。
 
周産期に,オスの脳のエストロゲン濃度は,メス脳に比べて,上昇していました。 
 
これらの結果は,次の事を示唆します,すなわち脳組織の遺伝的差違は,血液のホルモン環境とは独立で,性的二型性の生殖機能に不可欠な必須物である事をです。
 
*黄体形成ホルモン(LH)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E4%BD%93%E5%BD%A2%E6%88%90%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3
下垂体のホルモンで,黄体ホルモンとは別だけど,その分泌を刺激します。ステロイドでなく,糖蛋白質ホルモン。排卵の誘発などの作用もあります。
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私のブログで背景に関すること
脳や身体の性別特異的遺伝子が,性ホルモンとは独立に性分化をおこす
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-254.html
 

性ホルモンに依存しない脳の性分化
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-253.html
 


 

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