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初心者向けの双子研究 

初心者向けの双子研究
 
双子研究法を使った論文*を,大分紹介・翻訳しましたが,双子研究法については,説明しませんでした。
それで,大雑把で,私も完全には分かりませんが,簡単に説明します。
 

*双子研究よりG-スポットの存在に疑問視:要約
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-295.html
女性オルガズム障害の関連文献 かなりの部分が双子研究
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-294.html
「女性オルガズム障害」の進化理論批判:双子研究より
要約 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-282.html から
考察3,結論 http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-293.html まで
 

前書き
 
まず一卵性双生児(monozygotic (identical)twin,MZ)同士の遺伝子は100%一致します。最近の分子遺伝学ではエピジェネティクスなどの影響で,100%でない事が分かっていますが,それは省略します。
二卵性双生児(dizygotic,DZ)は,平均50%の一致率で,それは兄弟・姉妹と同様です。
 
一卵性双生児と二卵性双生児では,遺伝子の一致度が倍で,環境因子は,同一と考えられます。
もし,一卵性と二卵性で,まったくある形質の頻度に変化が無ければ,遺伝の関与がなく,環境だけと言うことです。
一卵性の方が,二卵性より形質の頻度が高ければ,遺伝が,少なくとも部分的には関わる事になります。
 
用語
少し,用語を導入します。
形質(trait)とは、生物のもつ性質や特徴のことで,客観的に一応観察できるものです。
環境を,共有環境(C,common environment),と 非共有環境(E,unique environment)に,分けます。
前者は,普通に言う環境の事で,親の影響や家庭の影響などで,双子同士で一致します。
後者は,一卵性の双子ですら違う一人ひとりに独自なもので,状況や時間とともに変わります。

相加遺伝子効果(A,additive genetics)は,下記のような意味です*が難しいので,省略します。
相関係数(r,correlation)下記のような意味です*が難しいので,省略します。高校か大学で習った?
 

方法
一卵性双生児間の相関r(mz)は,A+Cの推定値になります。
二卵性双生児間の相関r(dz)は,50%の遺伝子一致率ですから,1/2A+Cの推定値になります。
方程式にすると,下記になります。
 
r(mz) = A + C   ・・・1)
r(dz)= 1/2A + C  ・・・2) 
 
1)から2)を引いて2倍すると,Aが求められます。
A = 2 x (r(mz)  – r(dz))
 
一卵性双生児では,AとCは100%一致と考えられ,残りはE(非共有環境)となり,下記の式で求められます。
 
E = 1 -r(mz)
 
最後に共有環境Cは下記で求められます。
 
C = r(mz) - A
 
これが有名なACEモデルです。
ここでは,算術的に解きましたが,現代的な手法はもっと複雑です*。


遺伝率(heritability,H)は双生児研究で単純な場合,下記で求められます。H**2は,Hの2乗の事です。
Falconer方程式  H**2­=2x(r(mz)-r(dz))
 

*双生研究法  
http://en.wikipedia.org/wiki/Twin_study
安藤 寿康 著 心はどのように遺伝するか―双生児が語る新しい遺伝観 (ブルーバックス)
上記を,もっとも多く参照しました。
 

安藤 寿康のその他の本は読み物として面白いです。
遺伝子の不都合な真実: すべての能力は遺伝である (ちくま新書)
遺伝マインド --遺伝子が織り成す行動と文化 (有斐閣Insight)  
 

*相加的遺伝子効果 additive gene effect
 ある遺伝子の作用が同じ形質に関与する他の遺伝子の作用に対して加算的である遺伝子の効果
 

*相関係数
http://www.takenet.or.jp/~hayakawa/u-tan1-1.htm
 

http://www.twin.med.osaka-u.ac.jp/info/
 
 

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4つの古代民族集団(狩猟-採集民を含めて)の動脈硬化の証拠 

4つの古代民族集団(狩猟-採集民を含めて)の動脈硬化が明らかになりました
Atherosclerosis Evident in Four Ancient Populations, Including Hunter-Gatherers
4つの古代民族(狩猟-採集民を含む)の動脈硬化 (短縮タイトル)
 

Medscapeの論説
http://www.medscape.com/viewarticle/780556_print
 

原論文
Thompson RC, Allam AH, Lombardi GP, et al.
Atherosclerosis across 4000 years of human history: The HORUS study of four ancient populations.
Lancet 2013; DOI: 10.1016/S0140-6736(13)60598-X.
http://www.thelancet.com./journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2960598-X/abstract
=================
 
4000年の期間にわたる,4つの地域からのミイラの全身CTで,動脈硬化が古代の民族で,以前考えられていたより,多いことが示唆されました。
 
古代エジプト,古代ペルー,南西アメリカのプエブロインディアンの祖先,アリューシャン列島の狩猟-採集民を調べて,ミイラ137体中47体(34%)のミイラに動脈硬化を示唆する確実な所見,疑える所見を見いだしました。従って動脈硬化は現代病や生活習慣病ではなく,人類はそれに対する疾病素因を本来持っているのかもしれません。
 
この発見は,私たちの動脈硬化の原因因子に対する理解は不完全で,人間の老化の過程だけによるかもしれません。
 

これらの人々の食事は,天候と同様多様でした,古代エジプト人やペルー人は家畜を飼っていた農民であり、アメリカのプエブロインディアンの祖先は飼料を採取する農民、アリューシャン列島人は農業を行わない狩猟採集民族です。いずれの文化も菜食主義ではなく、すべての文化で魚や狩猟の肉を食べていました。
 

全身CTで,動脈壁の明らかな石灰化があれば動脈硬化と判断しました。動脈と思われる部位の石灰化は動脈硬化疑い例としました。5つの血管について分析しました。すなわち、①頚動脈、②冠動脈、③大動脈、④腸骨または大腿動脈、⑤膝窩または脛骨動脈の5つです。
 
結論
 

4つの産業化以前の集団(農業化以前の狩猟採集民族む)、人類の文化と歴史の広範囲にわたる4集団において、動脈硬化が,加齢と伴に一般的に認められました。そのため、動脈硬化は現代病とは考えにくく、特定の食事やライフスタイルと関係なく加齢によって起こる,ヒト生来の疾患であるかもしれません。
 
個人のブログによる解説
http://syodokukai.exblog.jp/18100098  力作,私のよりよっぽどしっかり訳や,解説。
http://time-az.com/main/detail/39047
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私見:私たちは今まさに,パラダイムシフトを,目撃しているのかもしれません。
以前のブログ「肥満に関する神話,憶測,事実」*でもそうだったけど,どうも成人病に関する原因,要因,それを除いた良いと思われる生活習慣は,胡散くさい気がしますこの論文は動脈硬化が単なる加齢による変化かもしれず,ライフスタイルによらないことを示唆しました。

つまり,高脂血症も,高血圧症も,肥満,内臓肥満,インスリン抵抗性,メタボリック症候群,運動不足なども,関係ないかもしれません。

真の病因,寄与因子を見つけることが,必要です。
老化や,炎症のマーカーの方が,疾患と関係するかもしれません。
 

肥満に関する神話,憶測,事実
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-270.html から
http://morisitaazami.blog.fc2.com/blog-entry-278.html
 

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